高校生が自作した空き缶サイズの模擬人工衛星を打ち上げ、その技術力を競う「缶サット甲子園」が10月7日、和歌山市加太のコスモパーク加太で開かれ、桐蔭高校科学部が8年ぶり2度目の優勝を果たした。同部缶サット班の山下匠班長(2年)は「打ち上げ直前まで手を尽くし、地元で優勝できてうれしい」と話す。
学校ごとに目標を掲げ、その難度と独創性、達成度で争う大会は11回目を迎え、全国5地区の予選を勝ち抜いた10校が集まった。桐蔭は現在、小惑星リュウグウを探査中の「はやぶさ2」をモデルに、「小型探査機による天体の環境調査」を目指し、大気や紫外線の検知・分析、着地後の土壌採取に成功した。
山下班長は昨年まで4年続いた準優勝を振り返り、「これまでは缶サットが地上に落下するまでのデータを解析するのがメーンでしたが、今年は着地後のサンプル採取まで取り組めたのが良かった」。今回の優勝で来年6月にヨーロッパで開かれる世界大会の出場権をつかみ、「他国の高校生が考える缶サットから多くのことを学び、後輩や他校の生徒に伝えたい」と目を輝かせている。
写真=念願の日本一に喜ぶ科学部のメンバー
(ニュース和歌山/2018年10月27日更新)