視覚障害者と伴走者で結成した和歌山県内初のマラソンチーム「紀の国ブラインドランナーズ」が12月2日(日)、和歌山市和歌浦南の片男波特設コースで行われる「城まちわかやまリレーマラソン」に出場する。第1走者を務める全盲の野尻誠さんは「同じ障害を持った人にタスキを渡すことができてうれしい。この日のためにボランティアの伴走者が大勢集まってくれる。一緒の時間を楽しみたい」と笑みがこぼれる。

視覚障害ランナー団体結成

 大会は42・195㌔を6〜14人のランナーがタスキをつなぐ。同チームは視覚障害のあるランナー8人が交代で走り、10人の伴走者がサポートする。

 「きずな」と呼ばれるロープを握りあい、伴走者は歩幅を合わせ、コースの状況やタイム、給水場所、他のランナーの急な動きなど安心して走れるよう声をかける。

 5年前から大阪の練習会で伴走技術を磨いてきた松林正樹さんが10月にチームを結成。東京や大阪の大会では視覚障害を持つ人が増えたが、和歌山では認知度が低く、伴走者も不足していると感じていた。松林さんは「今回の大会では視覚障害を持つランナーと伴走者との交流が目的の一つ。より多くの伴走者との出会いが練習の確保や大会出場の機会を生む。伴走者にとっても技術を上げるチャンス」と話す。

 大会に向け、松林さんと練習を重ねる野尻さんは「伴走者と交わす会話から町の景色を思い浮かべながら走れ、達成感は大きい。心と足を合わせてゴールを目指す」と意気込んでいる。

写真=練習する野尻さん(左)と松林さん

(ニュース和歌山/2018年12月1日更新)