鮮やかな紫色が美しいオオムラサキや、日本最大級のオオゴマダラ…。岩出市の東山好伸さん(72)が全国で20年以上にわたり採集したチョウの標本を、同市根来の岩出図書館で12月26日(水)まで公開している。展示後は和歌山県立自然博物館へ寄贈。「大自然は感動と不思議にあふれている。自然に興味を持ってもらえれば」とほほ笑む。

東山好伸さん 岩出図書館で展示

 チョウの採集に目覚めたのは1985年。家族旅行で訪れた信州で長男とした昆虫採集が始まりだった。「色、形、模様、その全てが魅力的」と心奪われ、日本各地の草原や森で網を持って追いかけた。中でも、原色の植物に舞う姿が美しい南国のチョウに魅せられ、八重山諸島へ毎年通うほどとりこになった。

 2008年から写真撮影へと移ったが、それまでの23年間で集めたチョウは200種類、標本ケース65箱に及ぶ。枯れ葉そっくりのコノハチョウ、エメラルドグリーンやルリ色をした小さな宝石のようなシジミチョウ類と多種多様だ。

 うち54箱はすでに7月、自然博物館へ寄贈しており、今回は来年1月に贈る11箱を展示している。東山さんが撮影したチョウの写真に加え、生態の不思議などを解説したパネルのほか、チョウの図鑑や児童書が並ぶ。「次代に生かしてもらい、子どもたちに身の回りの自然を大切に思う気持ちを持ってほしい」と願っている。

 午前10時~午後7時。20、25日休館。岩出図書館(0736・62・7222)。

写真=全国で採集したチョウの標本を展示する東山さん

(ニュース和歌山/2018年12月15日更新)