地元の歴史や文化を語り継ぐ海南市の芝村勉さん(85)が12月10日、2001~05年に本紙で136回にわたって連載した『JRきのくに線 駅名・トンネル名物語』を一冊にまとめた。
芝村勉さん 本紙連載を一冊に
和歌山駅から新宮駅までの54駅と、110あるトンネルの名前の由来を書きためた連載。列車で何往復もしながらトンネル名を確かめ、各地の住民や役所に取材を重ねて執筆した。
海南─冷水浦駅間にある白神トンネルは、地元で語り継がれる筆捨松の伝説をもとに記した。宮廷画家が子どもに化けた熊野権現との競画に負けて筆を捨てた話で、残った「白い紙」が白神になったのではと考えた。また、加茂郷駅は古文書に書かれた領主、加茂氏の名や、地形を足がかりに由来をつづっている。
「地名はその地域の歴史そのもの。自分たちが住んでいる場所の名に興味を持つきっかけに」と語っている。
B5判、136㌻。1080円。芝村さん(073・482・5090)。
写真=136回の連載をまとめた芝村さん
(ニュース和歌山/2019年1月23日更新)