災害時の支援活動を円滑に進めるための拠点、和歌山県災害ボランティアセンター(和歌山市手平)が常設されて10年を迎え、21日に記念フォーラムが同市手平のビック愛で行われた。
連携の輪広がる
1995年の阪神・淡路大震災以降、各地で起こる災害に対し、各都道府県社会福祉協議会は災害ボランティアセンターを設け、被災地にセンターの運営を支援する職員を派遣。しかし、災害ごとに立ち上がる組織ではボランティア団体と被災者のニーズの調整が難しかった。和歌山県は2008年10月、全国4番目となる常設のセンターを開設した。
フォーラムでは同センター主任の南出考さんが活動を報告。その一つとして各市町村で災害を想定し実践したセンターの設置訓練を挙げ、「地域の日常的なボランティア活動や、顔の見える関係づくりが、11年の紀伊半島大水害で生かされた」と常設化で地域連携の輪が広がったと紹介した。
続くパネルディスカッションでは、「あの日あの時の教訓をつなぐ〝いま〟」をテーマに意見交換。防災に強い地域づくりを支援する団体の代表を務める桒原(くわはら)英文さんは「社会課題を抱えている本人や地域が、自らの手で解決できるような支援が大事。地域で防災力を強化し、仕組みを見直していくことが必要です」と結んだ。
写真=和歌山県災害ボランティアセンターの活動を報告した
(ニュース和歌山/2019年1月26日更新)