神秘的な音を奏でる金属製の打楽器、ハンドパンの奏者で岩出市の平野陽平さんが3月21日、初アルバム『Magic Voyage』を発表した。ハンドパンと出合い、経験した魔法のような出来事の数々を曲にした。「全てにストーリーがあり、お気に入りの曲ばかり。感じるままに聴いてほしい」と話している。

自作の10曲 初アルバムに〜ハンドパン奏者 平野陽平さん

 スイスで2000年ごろに開発されたハンドパン。中が空洞のふくらんだ円盤型で、素手ではじいて演奏する。1台でメロディ、リズム、ハーモニーが表現でき、幻想的で柔らかな音を奏でる。

 平野さんは海外のストリートミュージシャンが演奏する動画サイトを見て、形と音色に心を奪われ、16年に始めた。国内に奏者は少なく、自ら演奏方法や曲を編み出す。「熊野の森や生石高原など自然の中で響かせるのが好き。鳥が鳴き、風が吹き、雨が降り出し、自然が反応してくれるんです」と笑う。昨年からライブに出演するほか、丹生都比売神社での奉納演奏や黒江の古民家で朗読家とセッションするなど活躍の場を広げる。

 アルバムは、熊野古道の空気や音、香りにインスピレーションを受けた『Epiphany』、岩出市の公園で朝日を浴びながら自然とセッションしたひとときを奏でた『ツユクサ』など全10曲。あえて音を加工せず、澄んだありのままの音色を届けている。

 2000円。希望者は平野さん(magicvoyage0803@gmail.com)。4月20日㊏午前11時、海南市黒江の木地屋で開かれる小さな蔵の音楽会に出演。詳細は「黒江めった祭り」フェイスブック

写真=「それぞれの思いで聴いて」と平野さん

(ニュース和歌山/2019年4月6日更新)