子どもたちの健やかな成長を願って──。よさこい祭りのフラフ(大旗)の振り師でつくるグループ「木国(きいのくに)」がこどもの日の5月5日㊐、和歌山城天守閣前広場でイベント「フラフ御祝振り」を初めて開く。よさこい発祥の地、高知では端午の節句にフラフを立てる風習があり、鯉のぼりがあがる和歌山城天守閣でも掲げようと企画。木国の片山一成代表は「和歌山のシンボルで、故郷の宝である子どもたちの成長を祝い、豊かな子ども時代が送れるよう願いを込めます」と話す。

よさこい有志 天守閣前で催し

 フラフは高知で明治初期から作られ、「旗」を表す英語「フラッグ」がなまったとされる。大漁旗など大旗になじみのある地域から広がり、高知県中東部では鯉のぼりと共にフラフを掲揚し祝う。

 近年、チームのロゴマークをあしらった旗から、フラフに持ち替えるよさこいチームが全国で増加。チーム旗は化学繊維の生地に模様を印刷した軽いものが多いが、フラフは木綿生地に、職人が勇ましい武者やめでたい七福神などを手仕事で描いて染め上げるため、重量感があり、鮮やかな色使いが青空に映える。

 木国は昨年5月5日に有志が結成。現在は5人が、旗を持たないチームや振り師の都合がつかないチームの応援で振る。それぞれ自前のフラフを持っており、メンバーの辻直人さんは「息子が生まれた1年半前に作りました。和歌山城を建てた豊臣秀長にちなみ、秀吉が馬に乗っている絵にしました。息子には秀吉のような大物になってほしいとの思いで振っています」と笑顔を見せる。

 フラフ御祝振りは、木国の結成1周年の節目にオリジナル企画をと考えた。天守閣前広場で約10チームがよさこい踊りを披露。チームのものも合わせると約10本のフラフが一堂に集まり、子どもの踊り子を前面に、木国メンバーがフラフを振る。また、子ども用の小さなフラフを用意し、振る体験もできる。

 片山代表は「舞台の奥で振っている普段の祭りと違い、間近で迫力あるフラフが見られる機会。子どもが犠牲になる事件や事故が後を絶たない中、企画を通じ、子どもたちの育つ環境がより良くなれば」と願っている。

 午後0時半と2時の2回。片山代表(utage1209@gmail.com)。

写真=フラフを手に片山代表(左)

 

(ニュース和歌山/2019年4月20日更新)