和歌山県立自然博物館の川上新一学芸員が監修した『菌の絵本 ねん菌(へんけい菌)』(写真)が3月20日、農山漁村文化協会から発行された。
南方熊楠が研究したことで知られる粘菌は、菌ではなく、アメーバの仲間で、主に森の中にいる。水の中を泳ぐためにべん毛と呼ばれる糸のようなものを出したり、乾燥や暑さ、寒さから身を守るため、硬い塊になって眠ったり。変形しながら環境に適応する不思議な生態を紹介している。
川上学芸員は「一つの細胞で体をつくる単細胞生物なのに、いろいろと形を変えてサバイバルする生き様を知ってもらいたい。そこから人間が学ぶべきものがあるのではないかと思っています」と話している。
A4変形判、32㌻。2700円。同協会営業部(03・3585・1142)。
(ニュース和歌山/2019年5月11日更新)