オール和歌山ロケの映画『ソワレ』が来年の公開を目指し今夏、御坊市と日高郡、和歌山市で撮影される。和歌山市出身でプロデューサーの前田和紀さんは「県内には素晴らしい場所がたくさんあり、これらの魅力を世界に発信する。和歌山で撮影した過去2作の経験を糧に人の温かさを作品に落とし込めれば」と張り切っている。

 前田さんが手掛ける和歌山映画第3弾。前田さんは2016年に和歌山市で撮影した『ちょき』、18年に太地町などで撮った『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。』をプロデュースしている。紀北、紀南に続く紀中での映画を、親交のあった映画監督の外山文治さんに相談し、映画を製作する新世界合同会社を立ち上げた俳優の豊原功補さんと作ることになった。

 若き男女の逃避行を追ったロードムービー。役者を目指し上京した若者、岩松翔太が、生まれ育った海辺の街の高齢者施設で演劇を教えることになり、そこで働く山下タカラと、ある事件をきっかけに先の見えない逃避行を始める──。主演の翔太を俳優の村上虹郎、ヒロインのタカラを女優の芋生(いもう)悠が演じ、地元住民らでつくる御坊日高映画プロジェクト実行委らのサポートで7、8月に撮影する。

 4月11日の製作発表で豊原さんは「和歌山の風景を目にし、若い2人の役者を支える力強い背景だと感じた」、外山監督は「和歌山の豊かな自然と夕陽、その中で暮らす人々の表情が作品にマッチする。切ない物語に合う、優しい風景を撮りたい」と意気込んでいた。

写真=右から前田プロデューサー、外山監督、製作に携わる俳優の豊原さん

(ニュース和歌山/2019年5月18日更新)