鈴木姓のルーツとされる藤白神社内の鈴木屋敷復元資金確保に向け、海南市はふるさと納税型クラウドファンディングを立ち上げ、個人からの寄付を呼びかけている。市企画財政課は「鈴木屋敷は貴重な地域資源。資金面もそうですが、全国に約200万人いると言われる鈴木さんに海南へ来ていただくきっかけになれば」と期待する。
海南市 ふるさと納税型CF実施中
熊野詣でが盛んになった平安末期、藤白に移り住んだのが熊野の鈴木氏。熊野三山まで案内したほか、熊野信仰を普及させるため、3300余りの熊野神社を全国に建てたと伝えられる。
この鈴木氏が住んでいたのが鈴木屋敷だ。藤白鈴木家122代当主が亡くなった1942年以降、江戸時代に建てられた屋敷は空き屋状態になって老朽化が進み、崩壊寸前に。現在は、同神社や鈴木屋敷復元の会が2021~22年の復元完了を目指し、取り組みを進めている。
復元には約1億5000万円かかり、うち約9000万円は国、県、市からの補助金でまかなうが、残る約6000万円は所有者である藤白神社の負担となる。これを支援するため、市は昨年、企業版ふるさと納税制度で協力を呼びかけ、500万円が集まった。
個人にも協力してもらおうと、4月22日にふるさと納税型クラウドファンディングを始めた。通常のふるさと納税と同じく、寄付金控除の対象となる。また、寄付額に応じ、地酒や漆器製の鈴木家紋盾などを贈る。
目標額は100万円で、5月21日現在、すでに60人から77万5000円が集まっている。鈴木屋敷復元の会の平岡溥己(ひろみ)事務局長は「関心の広がりに感謝です。この関心がさらに深まっていくことが、復元への大きな手助けになります」と歓迎する。
受け付けは7月30日まで。なお、企業版ふるさと納税も引き続き受け付けている。詳細は海南市HPか、市企画財政課(073・483・8405)。
写真=鈴木屋敷の復元イメージ図
(ニュース和歌山/2019年5月25日更新)