世界ベンチプレス選手権大会が5月18日~25日、成田市で開かれ、和歌山市の保富泰人選手(69)がマスターズⅣ(70歳以上)66㌔級で優勝を果たした。
ベンチプレスはパワーリフティングの一種目。台に仰向けになった状態で挙げたバーベルの重さを競う。世界選手権は12月末時点での年齢でクラス分けして実施する。
1月のジャパンクラシック選手権大会で優勝し、世界選手権への出場切符を手にした保富選手。59歳と60歳の時にも出場権を得たものの、会場が海外だったため、仕事で参加できず、今回が初出場だった。
試技は3回。1回目は105・0㌔、2回目は107・5㌔を順調に成功した。3回目は110・0㌔の予定だったが、同じく2回目に107・5㌔を挙げ、トップに並ぶイギリス人選手が110・0㌔を申請したのを受け、112・5㌔に変更。同じ記録だと体重の軽い選手が上位となるためで、「私の方が体重が重かった。負けて元々、やるからには1位を」。最後の力をこめ、バーベルを持った腕をゆっくりと上まで伸ばし切り、世界の頂点に立った。
「大会前、記録的には110・0㌔が挙がればいいと思っていました。自分としては、特に第3試技はよく頑張ったと思う。何とか勝ちたい一心でした」とすがすがしい表情。選手としてだけでなく、和歌山県パワーリフティング協会理事長を務めており、「今後もなるべく長く競技を続ける一方、パワーリフティングを若い世代に普及させたい」と張り切っている。
(ニュース和歌山/2019年6月1日更新)