大雨や洪水、土砂災害の危険性をより分かりやすく伝えるため、警戒レベルを用いた新たな伝達方法の運用が6月10日、本格的に始まった。昨年の西日本豪雨で犠牲者の多くが逃げ遅れて亡くなったためで、和歌山地方気象台の中野雅公防災管理官は「自分の住んでいる地域の状況やリスクを日ごろから意識し、いざという時の早めの行動につなげてほしい」と強調する。

気象台 「4までに全員避難徹底を」

 地区ごとの避難情報は、気象台が提供する情報を元に市町村が現地の状況をみて判断する。西日本豪雨では、気象庁が前日から「特別警報レベル」と見通しを発表したが、避難に結びつかず、200人以上が命を落とした。今回、内閣府が「避難勧告等に関するガイドライン」を改定し、危険度を明確化したレベル表記を避難情報に追加し、行動を端的に示すことにした。

 具体的には、災害への心構えを高めておくレベル「1」から、注意報が発表され非常時の行動を確認する「2」、警報が発令され、高齢者や障害者、乳幼児などが避難する「3」、土砂災害や河川がはん濫する可能性が高く、速やかに全員が避難する「4」がある。「5」は特別警報が出され、既に災害が起きている状況を指す。

 運用開始直前の7日には和歌山市で大雨警報が発令され、午前10時までの1時間雨量が歴代5位の47㍉を記録。和歌山市は塩屋街道など7ヵ所が大雨や冠水で通行止めになった。中野さんは「気象庁のHPで浸水害や土砂崩れの危険度がリアルタイムに更新される1㌔四方単位のメッシュマップが確認できます。レベル4で必ず全員避難の徹底を」と話している。

写真=6月7日の大雨では和歌山市内7ヵ所が通行止めになった

(ニュース和歌山/2019年6月15日更新)