女性第1号の資格取得

 女性が1割未満と言われる整形外科専門医の世界で、済生会和歌山病院(和歌山市十二番丁)の岡田紗枝医長(40)が3月、女性で第1号となる脊椎(せきつい)内視鏡下手術・技術認定医の資格を取得した。「男性医師に相談をためらいがちな女性患者に寄り添うとともに、女性でも整形外科医として活躍できる姿を見せて、後輩たちの背中を押せれば」と力を込める。

 岩出市出身の岡田さんは埼玉医科大学を卒業後、県立和歌山医大附属病院や和歌山ろうさい病院、新宮市立医療センターを経て、2015年から済生会和歌山病院に勤務する。

 今回取得したのは、日本整形外科学会の認定資格で、まず整形外科専門医、続いて脊椎脊髄(せきずい)病医に認定後、多くの手術を経験し、脊椎脊髄病指導医の資格を得た後に挑戦できるハードルの高い試験。手術のビデオ審査と継続の条件も厳しく、全国の保有者は専門医約2万人中、わずか186人に留まる。

 内視鏡下手術は、出血量が少なく体への負担が小さい、カメラで細部まで確認できるなどのメリットがあり、導入する病院が増えている。済生会和歌山病院でも岡田さんの取得により、より多くの患者を受け入れられるようになった。

 岡田さんは「資格は高い技術の証明になる。腰部脊柱(せきちゅう)管狭窄症(きょうさくしょう)や椎(つい)間板ヘルニアに悩む患者さんに安心して治療を受けてもらいたい」と望んでいる。

写真=「安心して治療を受けてもらいたい」と岡田さん

(ニュース和歌山/2019年6月26日更新)