近畿の高校生が自作した空き缶サイズの模擬人工衛星、缶サットを打ち上げ、技術力、創造力などを競う「缶サット甲子園」の和歌山地方大会が7月14日と15日、和歌山市加太で行われ、向陽高校生4人によるチームが優勝。10月に行われる全国大会の切符を手にした。2年の榎本考さんは「1位は自信につながった。全国大会までに機体や発表の仕方をさらにレベルアップさせ、優勝を狙う」と意気込む。

 大会では自分たちで課題を設定し、自作の缶サットで実演、その成果についての考察を発表する。今大会には昨年全国大会を制した桐蔭高校はじめ、大阪、兵庫の7校が参加した。

 向陽は、缶サットから撮影した地上の画像や、携帯電話からの電波を缶サットが受信し、得た位置情報を災害救助に役立てることを課題に取り組んだ。ロケットの羽にテープを巻いて自立させ、落下後の損傷を少なくした。当日は直前まで機体の調整やパラシュートの変更に追われたが、ロケットから放たれた缶サットのパラシュートが開き、データの受信に成功した。

 プログラミングを担当した2年の御前賢斗さんは「今回の操作は自作のリモコンでしたが、次はスマートフォンを使う予定。GPSやWi─Fiをつけるので、プログラムの構想をしっかり練り、大会に備えたい」と張り切っている。

(ニュース和歌山/2019年7月27日更新)