西和佐小 向井教諭 11度目の挑戦
けん玉の魅力を伝える和歌山市栗栖の西和佐小学校教諭、向井智哉さん(33)が7月14日、東京で開かれた世界けん玉道選手権で初優勝を飾った。けん玉が盛んな日本の有力選手が集う大会。11度目の挑戦で栄冠をつかんだ。「ずっと狙っていたタイトルで、長いトンネルを抜けられた。あきらめずに人事を尽くせば必ず形になることを体現できた」と喜んでいる。
向井さんは大学4年の時、子どもとふれあう手段にとけん玉を始めた。2010年には史上最短で現役最高位の6段になり、外国人選手が多数出場する海外の大会で3連覇するなど国内外で活躍。学校や地域の公民館でけん玉の楽しさを伝えている。
今大会は日本を中心に5ヵ国から中学生以上61人が出場。向井さんは12年、15年に準優勝したが、長男が生まれた16年以降、早朝以外ほとんど練習時間をとれず、優勝から遠のいていた。
トーナメント式で、技が書かれた12枚のカードを引き、審査員の前で互いに披露。2種類の技を先に成功した方が勝ちとなる。向井さんは予選から決勝まで5回戦い、「楽な試合は一つもありませんでした」。
特に、準々決勝は今年の全日本を制した中1の選手と熱戦を繰り広げ、1本目は「相手は失敗しない」というプレッシャーから先取されたが、2本目は集中力を発揮して高難度の技「飛行機~タップ裏はねけん」を決め、3本目も落ち着いて成功。相手は2、3本目を失敗し、勝利を手にした。
向井さんは「仕事と育児に追われつつも乗り越えたい壁だった。これからもけん玉を続けますが、少し気が楽になりました」とほっとしている。
写真=教べんをとる傍ら技を磨いてきた向井さん
(ニュース和歌山/2019年8月3日更新)