和歌山市で子ども向けの教室を開く岡崎大輔さん(38)が7月21日、日本青年会議所が全国各地で活躍する20人に贈る「JAPAN TOYP」の会頭特別賞に選ばれた。街を舞台に地域の課題解決や魅力発見に取り組む「まちなか実験室こどもラボ」が評価された。「大人自身が自分の人生を楽しんでいる姿を見せることが大切。子どもたち一人ひとりが活発になれば、和歌山も元気になる」と語る。

 TOYPは、1938年に米国青年会議所が「10人の傑出した若者」に贈ったのが起源で、過去にジョン・F・ケネディやエルヴィス・プレスリーらが受賞。日本では87年から「青年版国民栄誉賞」として毎年、各分野の若者に贈っている。

 大阪出身の岡崎さんは、子どものころから受験勉強に追われながら大学へ進学。製薬会社に就職し和歌山へ赴任した時、様々な生き方をする人たちと出会い、自分の人生に疑問を抱くようになった。30歳で退職し、アメリカへ留学。スポーツを通じて自分らしく生きる方法を学び、帰国後は和歌山市で英会話とバスケットボール教室を始めた。

 こどもラボは3年前、「和歌山には何もない」と話す子どもたち向けに開始。街の大人に仕事について取材して本にまとめたほか、職人と一緒にオリジナルおむすびを開発してきた。

 岡崎さんは「自分の力で調べ、挑戦し、確かめることで自信がつき、街と自分の未来に希望が持てます。こうした活動をネットなどで世界に発信したい」と描いている。

(ニュース和歌山/2019年8月10日更新)