ひきこもり者支援 創10周年 初の文化祭

 不登校やひきこもり者の相談、居場所づくりを行う紀の川市粉河の麦の郷ハートフルハウス創が10周年を記念し、10月22日㊋午後1時から、文化祭を初めて開く。同施設でサークル活動に参加する30人が発表。マジックを披露する40代男性は「人前で表現することは自信になる。成功させてお客さんを喜ばせたい」と張り切っている。

 1996年に同市打田地区で不登校支援を始め、2009年に県ひきこもり者社会参加支援センター事業に認可され、創としてスタートした。相談支援のほか、13年に同市粉河の古民家にカフェをオープンし、メンバーがゆるやかに働き、社会とのつながりを持てる居場所づくりを進める。

 10周年の節目に、みんなで一つのものに取り組みたいと文化祭を初企画。演劇、マジック、写真、手芸の4サークルが発表、販売を行う。チンドンショー、ひきこもり当事者が体験談を語るコーナーもある。

 6人で活動する演劇部は、自分たちで作・演出する舞台で、生きていく中で満足とは何かを問いかける。3年前から通う20代女性は「昔から演じることに興味があった。ここは自分を素直に表現できる場所。自分の色を大事にしたい」と笑顔を見せる。

 森橋美穂施設長は「ひきこもり者への理解と支援はまだまだ手薄なのが実態。文化祭を通し普段の取り組みを知ってほしい」と願っている。

 同施設(0736・60・8233)。

写真=文化祭を間近に控え、手品を見せるメンバー(右)

(ニュース和歌山/2019年10月19日更新)