全日本アマ選手権準優勝

 スケートボードでプロの世界へ──。野崎西小学校6年の甲斐穂澄選手が10月26日、27日に静岡県で開かれた全日本アマチュア選手権で準優勝。8位以内に与えられるプロ資格をつかみ取った。「うれしいけれど、ちょっとくやしい2位。プロになってからも大会で上位に入れるよう頑張ります」とさらに前を見据える。

 保育園年中でスケートボードを始め、小3から本格的に取り組む甲斐選手。大会では階段、手すり、ベンチなど街にあるような物が並ぶコースを滑り、繰り出す技の難度や完成度を競う。今年は関西アマチュア・サーキットの3試合で優勝1回、3位2回の成績を残し、関西1位で全日本アマ選手権へ挑んだ。

 全国の強豪82人が顔をそろえた大会、予選は9位で通過した。勝負の準決勝には16人が進み、このうち上位8人が決勝へ。甲斐選手は技を一つ飛ばしてしまうミスをしたものの、ギリギリの8位で通過した。「結果発表を待ってる間はヒヤヒヤでしたが、これで目標にしていたプロ資格を獲得できたのでホッとしました」

 翌日の決勝では、スケートボードの前の部分を障害物に引っ掛けて滑らせる「ノーズピック」、レールの上を滑りながら270度回る「ツーセブンボード」など多彩な技をつなげて繰り出し、2位に入った。

 プロへの道のりを支えてくれたのは父、幹也さんだ。大会会場のコースに慣れるため、9月下旬からほぼ1ヵ月、2人で車中泊し、毎日滑り込む息子を見守った。幹也さんは「プロ資格獲得の瞬間は何がなんだか分かりませんでした。最後まで攻める姿勢であきらめることなく戦えたのが良かった。これからも次の目標に向けてサポートしていきます」とにっこり。

 実は甲斐選手、大会2日前の練習で着地の際にひざを負傷し、本番は痛み止めを飲みながら、執念の滑りを見せた。中学1年になる来年春からはプロの大会に参戦する。「将来はXゲームやSLSなど世界の大会で活躍したいし、2024年のパリ五輪では金メダルを取りたい。プロ資格はそのスタートです」。自慢の滑りにさらなる磨きを掛ける。

(ニュース和歌山/2019年11月16日更新)