和歌山市のジャズドラマー、瀧益生さん(76、写真)が10月22日、自らの歩みを自叙伝『感謝』にまとめた。「ドラムを通じ夢を追ってきた。日本が、和歌山が元気だった時代を感じてもらいたい」と話している。
来年、喜寿を迎えるのを前に、「自分のこれまでの歩みをつづってみたら」と友人の勧めで自らの年表を作成。浮かぶ思い出を書き加え、16章にしたためた。
大阪市で海軍のドラマーだった父と、歌手だった母の間に生まれた瀧さん。石原裕次郎に憧れて10代でドラムを始め、現在も営業するアルバイトサロン「ミス大阪」でドラムを叩き始めた。
和歌山を初めて訪れたのは1969年。和歌山弁の歌『アカナイシヨ』で榎谷おさむとシャイアン・エコーズの一員としてプロデビューを果たしたキャンペーンで、ぶらくり丁の人の多さに驚いた。84年に和歌山市に移住し、その後、お好み焼き店を開店。和歌山JAZZフェスティバル、和歌の浦スチューデントJAZZを企画し、世界リゾート博、JAZZマラソンへ協力するなど深まっていった和歌山との縁をたどっている。
「忘れられないのは98年のジャズフェス。毒物カレー事件で催しの自粛が続く中、プラザホープの400席が埋まり、人があふれました」と振り返り、「いい時代を過ごせた。家族、友人ら多くの出会いがあってこそ」とかみしめる。
今、新たな夢も抱く。「夜の街で働き、歌手を目指す人の『ネオン音楽祭』とタンゴバンド結成です。そして出発点になった『ミス大阪』でもう一度ドラムを叩きたいです」とほほえむ。
A5判、48㌻。500円。宮脇書店和歌山店で販売。瀧さん(073・474・2569)。
(ニュース和歌山/2019年11月23日更新)