和歌山大3年 中村鴻成さん アイデアコン最優秀賞
和歌山大学システム工学部3年の中村鴻成さん(21)が「家庭用IoTごみ箱で高齢者のごみ出し支援」を発案。京セラコミュニケーションシステム主催の「IoTアイデアコンテスト」で、アイデア部門の最優秀賞に選ばれた。
IoTは、身の回りの様々なものにインターネットをつなぎ、暮らしを快適にする仕組み。コンテストでは大学生や専門学校生から、IoTを使い生活を良くするアイデアを募集、53人から応募があった。
昨年12月の本選で中村さんが提案したのは、夜間に超音波センサーで計測したごみ箱内のごみの量が80%以上の場合、地域の支援者に知らせるシステムだ。
現状、集積所へごみを持っていくのが難しい人への支援は、自治体や委託業者が回収する直接支援型と、地域住民がごみ出しを代行するコミュニティ支援型がある。中村さんはコミュニティ支援型に着目し、ごみがたまったタイミングで訪問できれば、支援が楽になると考えた。「帰省した時、足腰が弱まった祖母の代わりに父親がごみ出ししているのを見た。ごみ出しが困難な一人暮らしの高齢者はどうしているか気になり、IoTが役立つと考えました」と話す。
数日間、ごみの量に変化がない場合は緊急連絡先に伝わり、安否確認ができるのも特徴。高齢者や障害者のごみ出しをサポートする自治体への財政支援を総務省が11月に発表する中、高齢者が普段通り生活するだけで、ごみ出しの代行と見守りの両方をできる点が評価された。
中村さんは「IoTごみ箱はレジャー施設で実用されているが、家庭用はなかった。すでにあるものでも違う見方をすれば、新しい発見や価値が生まれる。これからも皆が幸せになれるものづくりにかかわりたい」と熱を込める。
(ニュース和歌山/2020年2月8日更新)