「氣」前面に、団結力で臨む
6季連続で甲子園に出場する智辯和歌山。「『氣』を前面に、全員がつなぐ意識を持つ」を持ち、新たな気持ちで聖地に挑む。1年半前から指揮をとる中谷仁監督と、センターからショートにコンバートされたばかりの細川凌平主将がチームを語る。(文中敬称略)
写真=6季連続の甲子園へ「氣迫」充分
機動力生かし細かいプレーを
──今年のチームは?
中谷 「彼に任せておけば大丈夫」というスター選手はいません。それだけに選手間に競争意識が育っているのが良い傾向。全員がつなぐ意識を持って戦う。ひと言で言えば、「絆」のチーム。絆を大事に、結果を出していきます。
細川 今年は細かいプレーを大切にしていくチームです。今はまだ、それぞれが個性を表し切れていませんが、個々が自立し、自分の役割を自覚してスキ無くやれば、去年より良いチームになると思います。
投手=力強い直球が武器の小林樹斗投手
──攻守の持ち味は?
中谷 投手は、甲子園を経験し、力強い真っ直ぐがある小林樹斗が軸です。加えて、矢田はスリークオーターからサイド気味で打ちづらく、中西も速球、変化球のコンビネーションが良い。技巧派の池田やサイドハンドの大林もおり、それぞれがやることをしっかりやれば、押さえてくれるはず。打者は、シュアな細川と、大きいのが期待できる徳丸、加えて、平田が打つとチームが活発になります。
細川 走れる選手がいて、機動力を使えます。とにかく、盗塁や走塁、バントなど細かくサインプレーをやっていかないとダメ。徐々にですが、できてきています。
──細川選手をショートにコンバートしました。
中谷 秋の近畿大会でベスト4に行けなかったことで、一からチーム編成に取り組みました。内野の軸になってもらえるよう考えました。
細川 ショートは中学生以来ですが、自分の幅が広がりチームに貢献できるはず。今まで3回出た甲子園でセンターを守りましたから、宮坂には経験を伝えていきます。
──髙嶋仁前監督の孫、奨哉選手がベンチ入りし、父の茂雄さんと合わせ、三世代で甲子園の土を踏みます。
中谷 孫だから選んだのではありません。勝負強いバッティングに期待してのことです。
まず1勝し 勢いづける
──スローガンは?
細川 「氣」です。監督から「『氣持ち』『覇氣』を前面に出さないと勝てない」と言われました。ただし、押しつけではなく、全員が「常に『氣迫』を持って戦おう」と、納得して決めた言葉です。
──センバツに向けて。
中谷 「勝って当然」とは思われていないチームですから、逆に、勝つと勢いづきやすい。実力的に差がある強豪に勝てば、「行ける!」と乗ってきます。
細川 出場が決まったのは、近畿で最後の6校目ですので、実力は一番下。秋に負けてから、各自が自分を見つめ直し、課題を明確にして取り組んできました。一勝すれば勢いが出ます。団結力を持ってぶつかります。
(ニュース和歌山/2020年3月14日更新)