児童文学作家 たかだゆき子さん新刊

 昨年、児童文学作家としてデビューした和歌山市のたかだゆき子さんが3冊目の絵本『ゆうきとえがお』を4月7日に発売した。「幅広い年齢の方からファンレターをもらうようになり、絵本を通して自分の思いが伝わっていることにやりがいを感じます。相手を思いやる気持ちや優しさを心の中に育んで」と声を弾ませる。

 低体重で生まれ、肢体に障害を持つたかださん。子どものころから絵本が好きで、物心ついた時には兄姉と3人で物語を作り、ノートに書き留めるようになった。昨年からは兄姉のサポートを受けて「ゆっこりんのおはなし会」を立ち上げ、県内の福祉施設や学校で絵本の読み聞かせや講演活動を行う。

 『ゆうきとえがお』は、森の広場で一緒に遊ぶウサギとゴリラの友情や、その仲を悪意を持って引き裂こうとするサルの物語。サルの巧妙な誘いに乗り、ウサギを孤立させてしまったゴリラの言葉「そんなつもりじゃなかった」がキーワードだ。

 「だれでもゴリラの立場になる可能性はある。サルを改心させるのは難しいが、自分の言葉や行動に責任を持つことで、周りの人や自分自身を守れるようになると、知ってほしい」と呼びかけている。

 44㌻、1650円。宮脇書店和歌山店、ツタヤウェイガーデンパーク店、アラオ岩出店ほかで販売。

(ニュース和歌山/2020年5月2日更新)