和歌山県聴覚障害者情報センター長 櫻井貴浩さん

 春先から報道で「自粛」「PCR」といった言葉をよく目にします。こうした言葉は手話にありませんから、意味を理解できないまま不安を感じている聴覚障害者がたくさんいます。例えば「自粛」は手話で「家にひきこもる」と表現してようやく理解でき、一つの言葉として記憶します。

 意思疎通支援者は個人の背景や状況に合わせて手話や要約筆記をするため、本来は地域内で同行するのがベストです。一方で、命にかかわる問題であることから、4月に手話や要約筆記の遠隔サービスを始めました。県内では初の試みです。

 これを機に、地域で災害が起こった際の「聞こえない人にとって使いやすいとは何か?」を考え、前に進んでいきたいと思います。皆さん、一緒に頑張りましょう!

(ニュース和歌山/2020年5月30日更新)