鉄工所経営の河村信人さん アイデアグッズ考案

 ホールケーキを等分し、倒さず皿に盛り付けられるキッチン用品「カッティングトング」を、和歌山市西庄で鉄工所を営む河村信人さん(45)が考案した。くの字形をしたステンレス製で、ケーキの上から押し込むように切り、そのままトングのようにつかんで皿へ移すだけ。「ホームパーティーが好きな人や、家族そろってケーキを食べる人にぜひ」と顔をほころばせる。

 河村さん宅では、弟家族や両親を合わせた12人が誕生日やイベントで年10回ほど集まる。この時、ホールケーキを切り分けるのは河村さんの役割で、12等分した細いケーキでは皿に置く際にバランスを崩して倒れやすいことから、道具を模索してきた。

 4月、仕事中に熱した鉄を持つ工具を見て、ケーキをつかむイメージが浮かんだ。すぐに身近なブリキで試作し、改良を重ねた。12等分なら30度、6等分なら60度と、人数に合わせて角度を調整できるのが特徴だ。子どもが使えるよう軽くし、安全面に配慮して刃は切れすぎない厚みにした。

 いつもケーキを注文する店に試作品を持ち込んだところ、「こんなの見たことない。使いやすい」と好評。6月には特許を申請した。河村さんは「不器用な人に喜んでもらいたい。ケーキの取り分けもイベントの一つとして楽しめるのでは」と熱を込める。

 現品付きクラウドファンディングを10月31日まで実施。詳細は「マクアケ カッティングトング」で検索。河村さん(073・452・8035)。

(ニュース和歌山/2020年9月12日更新)