和歌山西署 自転車指導チーム結成

 自転車の交通違反をなくそうと、和歌山西署は自転車指導取り締まりチーム「疾風」を9月29日に結成した。和歌山県内初の取り組みで、交通課の宮井大輔課長代理は「子どもからお年寄りまで、だれでも免許なしに利用できる身近な乗り物。近年は大きな損害賠償に発展するケースもある。悪質な違反に対して指導、警告の上、検挙していく」と熱を込める。

 軽車両にあたる自転車は道路交通法が適用される。2015年の法改正で、運転中、危険を及ぼす悪質な違反を3年で2回以上した人は講習を受けなければならなくなり、拒否すると罰金が科されるようになった。また、県は18年、安全利用に関する条例を設け、損害賠償保険への加入を努力義務とした。

 昨年の県内事故1859件のうち、自転車が関係するものは278件と全体の15%。和歌山市中心部を管轄する西署内では261件中57件で22%と高い。

 これに加え、地域住民から運転マナーに関する相談やクレームが寄せられていたことから、取り締まり強化のため専門チームを立ち上げた。同課取締係の若手が交代で週1~2回、背中に「疾風」とチーム名を刻んだそろいの服を身にまとい、クロスバイクに乗って巡回する。

 西村祐飛巡査によると、通学路や住宅街では一時停止無視や横並びでの走行、車通りの激しい幹線道路では右側通行、携帯電話を見ながらの運転、信号無視が多い。「覆面パトカーのように警察と気づかれにくいため、違反者を見つけやすい。疾風の名のごとく神出鬼没に動き回ることが啓発になり、事故抑止になれば」と意気込んでいる。

写真=そろいのシャツを着て出発する「疾風」のメンバー

(ニュース和歌山/2020年10月10日更新)