友ヶ島汽船乗り場に隣接する加太向丁自治会館の壁に11月28日、巨大な女獅子の絵がお目見えした。地域の獅子舞を受け継ぐ向丁青年団が描いたもので、正木虎太郎青年団長は「新型コロナウイルスの影響を受け、出番がなくなり、何かしなくてはと始めた。元気な加太をアピールし、地元の人に活力を与えたい」と望んでいる。
1597年、加太春日神社に奉納したとの記録が残る向丁の獅子舞は、同神社のえび祭りで長く披露されてきた。加太に3頭ある獅子のうち、唯一の女獅子で、ちょうを追いかけたり、花畑で遊んだりとかれんな演舞が特徴だ。4年前からはイオンモール和歌山の元旦イベントに出演するほか、旅館に招かれるなど祭以外での活動が増えていたが、新型コロナの拡大で出演機会を失った。
今年11月、今できることをと、青年団有志が味気なかった高さ7㍍×横6㍍ある自治会館の壁に獅子を描くことに。建築やデザインの仕事に携わる団員が指揮を取り、教員や僧侶、整体師などのメンバーが入れ替わり立ち替わり筆を走らせ、約1ヵ月で完成させた。
向丁の小嶋修一自治会長は「地域の人から、新しい写真スポットになると喜びの声を聞きました。加太大橋から見えるので、散策の際に立ち寄ってください」と呼びかけている。
(ニュース和歌山/2020年12月5日更新)