和歌浦天満宮 12月31日から公開
新型コロナウイルスの疫病除けにと、和歌浦天満宮の禰宜、小板政規さんが巨大な赤べこ2体を製作した。公開は12月31日㊍からで、「コロナ禍が続く中、和歌浦の飲食もかなり影響を受けている。来年こそは普通の生活に一歩でも近づけるよう願いを込めました」と目を細める。
学問の神、菅原道真をまつる天満宮は牛とゆかりが深く、小板さんが来年のうし年に何かしようと考えていたところ、コロナが流行。一向に収まる様子がないことから、除災を祈願する巨大な赤べこを3ヵ月かけて手作りした。
赤べこは疫病除けのお守りで、会津地方で親しまれている。今回作ったのは全長63㌢、高さ36㌢、幅23㌢。奉納された米の袋にコロナ関連の記事が載った新聞を詰めて頭と胴体にし、足やツノは新聞の紙粘土で製作した。この上に看護学生らが「疫病退散」「子どもを守ってください」などの願いを短冊に書いて貼り、さらに祝詞に使う和紙を重ね、色を塗った。
小板さんは「使った新聞は、コロナ流行当初は『乗り越えよう』『頑張ろう』との内容が多かったが、日を追うごとに切ないものが増えていった。予断を許さない状況ですが、これまで疫病や飢きん、災害を乗り越えてきた祖先のように、僕らも頑張らなければ」と気を引き締める。
巨大赤べこは、楼門の両脇に「疫病退散」の文字をデザインした手作りの台座を据え、その上に飾る。このほか、赤べこのお守り飾りを31日から販売する予定。
写真=「気軽に撮ってSNSで発信して」と小板さん
(ニュース和歌山/2020年12月12日更新)