“密”が今年の漢字に選ばれた2020年。新型コロナウイルスが様々な場面に影響を及ぼした一年でした。自粛ムードが漂う中でも、和歌山では新しい施設が続々オープンし、にぎわいが生まれました。

 

新型コロナ 県内でも

 全世界で猛威をふるっている新型コロナウイルス。和歌山県内では2月に初めて陽性患者が確認された。この後、湯浅町の病院で集団感染が発生。また、教育現場では3月から5月まで臨時休校の措置がとられた。緊急事態宣言を受け、近代美術館や自然博物館など公共施設が休館し、イベントの中止も相次いだ。PCR検査の態勢を整えるため、5月には和歌山市がドライブスルー方式の検査センターを設置(写真)。12月22日現在、県内の感染者は計587人となっている。

 

飲食業界へ支援の輪

 新型コロナで外出を控える動きが広まり、様々な業界に影響が出た。売り上げ減に頭を悩ませる飲食業界では、新たにテイクアウトを導入する店が急増。店の情報を発信する「Wakayama To go Map」や「かいなん♡い〜と」などのHPが立ち上がった。また、応援したい地元の店で将来使える食事券を購入してもらう取り組み「未来チケットわかやま」では、651人から700万円を超える支援が集まった。

 

市駅に複合施設キーノ

 南海和歌山市駅の新複合施設「キーノ和歌山」が6月5日、グランドオープンした。商業ゾーンにはスーパーや飲食店、クリニックなど、公益施設棟には新しい和歌山市民図書館が入った。図書館はTSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブが運営。蔵書数は45万冊から60万冊に増えた。和歌山市の玄関口として、1階に観光案内、物産販売コーナーを設けている。

 

海南市役所跡にノビノス

 海南市役所跡に市民交流施設「海南ノビノス」が6月1日に開館した。施設の中心となる図書館は現在、約13万冊あり、開架図書としては日本一となる5万冊の絵本をそろえる。このほか、ホールや会議室、多目的室、音楽練習室、コーヒーショップもあり、来館者は12月22日現在で市の人口の7倍を超える約37万人。海南の新たな人気スポットとなっている。

 

本町公園リスタート

 遊休不動産のリノベーションを軸に和歌山市の中心市街地活性化を図る紀州まちづくり舎グループが、本町公園と本町地下駐車場の指定管理者となり、活動を活発化させている。2011年から休止していた駐車場を4月に再開し、長らく使われていなかった公園内の建物は7月から飲食店や貸しスペースとして活用。週末を中心に公園はマーケットや映画祭など多彩なイベントでにぎわいを見せた。

 

四季の郷リニューアル

 和歌山市初の道の駅に登録された四季の郷公園の入り口付近が7月、「フードハンターパーク」としてリニューアルオープンした。地元食材を味わえるレストランを新設し、直径3㍍のたき火台があるバーベキュー広場ではジビエソーセージや熊野牛をまきの火で焼いて食べられる。農産物直売所には野菜や果物、土産品が並び、11月末までに約17万人が訪れた。

 

甘露寺で鬼滅ブーム

 映画が大ヒット中の漫画『鬼滅の刃』効果で、主要キャラクター、甘露寺蜜璃と同じ名前の、紀の川市貴志川町長原にある甘露寺が注目を集めた。映画公開に合わせて同市が寺にピンクの雨戸を設けて撮影スポットにしたほか、同キャラの別名、恋柱にちなみ、ハートを描いた柱を寺近くの平池緑地公園に設置。キャラクターのコスプレをしたファンで盛り上がった。

(ニュース和歌山/2020年12月26日更新)