本紙記者ら有志5人 石巻で支援活動
和歌山から約1000㌔離れた宮城県石巻市。2011年3月11日の東日本大震災で3000人以上が犠牲になったこの町へ、本紙記者を含む有志5人が昨年12月27日に訪問した。現地では和歌山から届けたみかんを使ったレクリエーションを行った。(林祐司)
地域のボランティア活動に取り組む海友会、BBS会らのメンバーと2011年に訪問を始めた。和歌山市青年団体協議会や県青少年育成協会、県観光連盟の協力で、1年目はストーブ、2年目以降はみかん約1㌧を届けている。
石巻市門脇の上釜会館には、宮城県BBS連盟が呼びかけた住民約70人が待っていた。みかんを車から下ろし、レクリエーション「パンダ大集合!みかん狩り運動会」を始める。しゃもじや頭の上にみかんを乗せて競走したり、制限時間内にできるだけ高くみかんを積み上げたりと、子どもから大人まで大盛り上がり。獲得したみかんを早速、おいしそうにほおばる参加者もいた。
参加した髙橋亨(とおる)さん(76)は「大きくて甘いみかんはありがたい。仮設住宅が減って元の住民が戻ってきており、地域の子どもも増えてきました」と笑顔。娘の桜唯(るい)ちゃん(1)と参加した尾形藍さん(33)は「和歌山産のみかんが石巻に入荷されると地元新聞に載るので毎年楽しみにしています。こういった形でみんなが集まれば絆も深まります」と喜んでいた。
運動会を開いた上釜地区は津波で100人以上が亡くなった。初めて訪れた11年に比べ、新しい住宅や店が建ち、避難先から戻った住民や新しく住み始めた人で活気が戻りつつある。共に活動する和歌山市BBS会の高垣晴夫会長(52)は「回を重ねるごとに被災者の緊張が解けてきたように感じる。私たちの防災意識を薄れさせないためにも、交流を続けていくことは大事」と話す。南海トラフ大地震に備え、被災地から学ぶことはまだまだある。この縁を大切に、息の長い支援を続けていきたい。
写真=みかんを積み上げながら笑顔がこぼれる
(ニュース和歌山2015年1月10日号掲載)