【秀吟】
借りた詩集返せぬままに友は逝き 小川 イセ
先読みをされて季節の秋桜 上野美枝子
読み書きの出来る英語が使えない 堀田 順一
先生もルビ付きで読む生徒の名 瓦野 正美
顔色を読んで飼い猫家出する 米澤 俶子
深読みが過ぎて茶碗にひび入る 上村八重子
深読みをすると躓くことがある 辻内 次根
その先を読んで答が出来上がる 喜田 准一
深読みをし過ぎて一人空回り 北口 豊
拳骨の裏が今ごろ読めてきた 宇野 幹子
裏の裏ばかりを読んで病んでいる 森口 美羽
斜め読み忍者が読んでいる書店 磯部 義雄
大根の尻尾で明日を読んでみる 川上 智三
斜に構え男は風を読みたがる 中西 宏夫
三席・声に出し読むと気が付く誤字脱字 田中 みね
二席・こっそりと読んで大人になりました 古久保和子
一席・読み止しのページが風とたわむれる 武本 碧
選者吟・風を読みすぎて一瞬出遅れる
読み書きの出来る英語が使えない 堀田 順一
評 学校で英語を習いますが、肝心の会話は…。幼児は文法を知らなくても直ぐに会話できるとか。
先生もルビ付きで読む生徒の名 瓦野 正美
評 人名の漢字は制約がありますが、その読み方は自由なために、読み方の判らぬ名前の生徒が多いという、風刺の利いた句です。
※2月の兼題は「トリック」。2月19日(木)必着。
1人3句までです。応募は〒640・8570ニュース和歌山編集部「和歌山三幸川柳会」係へ。
(ニュース和歌山2015年1月17日号掲載)