オテル・ド・ヨシノ料理長   プロの料理人に指導

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 県内で捕獲したシカやイノシシの肉、″わかやまジビエ〟を地元で広めようと初の飲食店向け料理講習会が2月16日、和歌山市美園町のT—LABOで開かれた。オテル・ド・ヨシノ(同市手平)の手島純也料理長が、ホテルやレストランの料理人25人に調理法を伝授した。

 手島料理長は、ジビエ料理で名をはせた同店のオーナーシェフ、吉野建に師事。フランスでも修業を重ね、同店では冬の主力メニューとして県産ジビエを提供している。

 県が開いた今回の講習会では、シカ肉とフォアグラのパテ、イノシシ肉のクリームシチューの2品を実演。肉の選び方や焼き方、香草とスパイスを効果的に使う方法などを細やかに説明した。「牛や豚、鶏肉よりも部位、個体により肉の味が違うのがジビエの特徴。それぞれの個性に合わせ調理法を見極め、素材のおいしさを引き出して」と手島料理長。

 参加したグランヴィア(JR和歌山駅前)の杉本和紀シェフは「いかに食べやすく調理するかがポイントになる。材料の配分や使い方が参考になった」と話していた。

 昨年度、県内の鳥獣による農作物の被害額は3億3000万円で、イノシシによる被害が53%、シカが14%を占める。手島料理長は「和歌山のジビエは有名産地の高級肉にも引けを取らない肉質。地元でジビエを食べる食文化が根付き、農家が困っている問題を解決したい」と語っていた。

 なお、県産ジビエを使った特製メニューを提供するジビエウィークを、2月28日(土)まで県内84店舗で開催中。詳細は県畜産課HP。 

写真=手島料理長(左)の話を熱心に聞く参加者

(ニュース和歌山2015年2月21日号掲載)