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 脳出血から奇跡の復活を果たした和歌山市のジャズシンガー、さつきさんが2月16日、同市秋月の日進中学校を訪れ、1、2年生約500人を前に歌声を披露した(写真)

 東京で10年以上、プロとして活躍したさつきさん。2008年、脳出血に襲われ、歌手の命である声が出ず、右手足が動かなくなった。懸命のリハビリを経て、現在はつえなしで歩けるようになり、声も歌えるまでに戻ってきた。

 昨年5月には片男波公園で「ジャズ♡ハートライブ」を開催。イベントを告知するニュース和歌山の記事を見た同校2年生学年主任の絹川由美教諭が「さつきさんの生き様にふれてもらいたい」とゲストティーチャーに招いた。

 体育館に集まった生徒を前に、さつきさんは『星に願いを』や『ナイト・アンド・デイ』、ジャズ調にアレンジした『まりと殿様』などを披露。曲の合間には生徒からの質問に答えた。

 「声が出なくなった際の気持ちは」との問いに「まだ1歳半だった子どものことが気になった。退院して戻った家で楽譜を見た時、初めて『私、歌手だったんだ』と分かりました」。また、「人前で歌うのは緊張しませんか」と聞かれ、「小さいころから歌うのが好きで、昔は全く緊張しなかったが、病気後はあがるようになった。でも、歌い終わると鳥肌がたつぐらい気持ちいい」と笑顔で答えていた。

 話に耳を傾けた2年の寺下綱星(こうせい)さんは「病気を経験した後、また歌手をしようと思ったきっかけが、子どもの『ママ、歌うまいね』の言葉だったとの話が印象的でした」。同じく2年の寺村美海(みう)さんは「ジャズを聴くのは今日が初めて。病気になっても歌手活動を続けるのは、本当にジャズが好きだからなんだなと感じました」と話していた。

(ニュース和歌山2015年2月21日号掲載)