兼題「カレンダー」三宅保州選②

【秀吟】
物忘れ助けて貰うカレンダー     谷口 寿彦
預金口座無いけど欲しいカレンダー  西川 千鶴
貯金せず貰って帰るカレンダー    定松 宏枝
日めくりの格言今日も身にしみる   北口  豊
花暦母ささやかに老いてゆく     宇野 幹子
日めくりの今日をはぎとり日々新た  原   稔
恥掻いて旅から戻るカレンダー    森口 美羽
日めくりの日をカレンダー見て直す  次井 義泰
カレンダーの予定無い日を大切に   根田よしこ
短い日も長い日もあるカレンダー   酒井 純子
カレンダーと相撲とってるヤジロベエ 上野美枝子
カレンダー埋め尽くして病んでいる  武本  碧
病葉のように師走のカレンダー    古久保和子
暦から学ぶ私の知恵袋        北山 絹子

三席・抽出しに敷く銀行のカレンダー 米澤 俶子
二席・十二単脱いで身軽くなるこよみ 磯部 義雄
一席・もう一枚欲しい師走のカレンダー 福田 武幸  
選者吟・お陰様で休日のないカレンダー

【寸 評】

カレンダーの予定無い日を大切に   根田よしこ  
 予定のあるカレンダーを詠んだ句が多い中 で、予定のない日こそ自分のことやボランティア活動などに大切に使いたいという視点のすばらしい佳句です。
もう一枚ほしい師走のカレンダー   福田 武幸  
 師走の慌ただしさを忙しいと詠めば平凡な句 ですが、12月のカレンダーがもう1枚欲しいと比喩的に詠んでお見事な一席です。

3月の兼題は「足」。3月19日(木)必着。1人3句まで。 〒640・8570ニュース和歌山編集部「和歌山三幸川柳会」係。
(ニュース和歌山2015年2月21日号掲載)