和歌山市山東地区の活性化に取り組む山東まちづくり会が、産業廃棄物として処理される浄水発生土を再利用し、1年かけて花を育てるプロジェクト「山東まちづくり大学」を始めた。紀の国わかやま国体の応援や、男女の出会いの場を提供する〝恋活〟も兼ねており、4月5日の入学式には独身男女や親子ら13人が参加した。出口理恵子幹事は「みんなで土作りをすれば自然と会話が生まれ絆が深まる。園芸が好きな方なら誰でも参加できます。一緒に楽しい思い出をつくりましょう」と呼びかけている。

 浄水発生土は、水を浄水処理する際に出る泥を脱水した土。グラウンドや園芸用に再利用できるが、大部分が産業廃棄物として埋立処分されている。同市の工業用水からは昨年度、2650㌧発生し、うち450㌧はグラウンドを整備する企業などに販売されたが、残りを処分するのに2160万円かかった。

 授業は週末に月2回、来年3月まで。浄水発生土を園芸用に使う方法を学び、その土で育てた花できいちゃんのモニュメントを作って国体を盛り上げる。国体後は和田川沿いに菜の花ロードをつくる。また、放置竹林で伐採した竹の粉を混ぜ、和歌山のブランド土としての販売を模索する。

 年齢別に6クラスに分かれて取り組み、20・30代と40・50代のクラスは恋活を兼ねる。和歌山で婚活イベントを開くわかコンと「恋の花咲く土(ど)プロジェクト」と題して共同企画したもので、土作りをしながら出会いを見つける。参加する同市の淡路宏晃さん(30)は「その場限りの付き合いでなく、1年かけてゆっくりとお互いを知れる。婚活だけでなく、色んな年齢の人がかかわるので輪が広がる」、海南市の27歳女性は「文化祭のようで久々に学生気分に戻った。恋活しながらボランティア活動できるのも魅力」とほほ笑む。

 引き続き参加者を募集中。第1回授業は4月18日(土)午前9時、同市明王寺の四季の郷公園。無料。恋活は月2000円。詳細は「山東まちづくり大学」HP。また、4月18日と4月19日(日)に同公園で四季の郷クラフトフェアを開催。

写真=入学式後のオリエンテーションで既に打ち解け合ったメンバー

 

(ニュース和歌山2015年4月11日号掲載)