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 和歌山電鉄と和歌山バス、和歌山バス那賀は、一般路線で利用できるフリー乗車券「乗り歩きっぷ」を3月に発売した。3社による利用促進のための初の連携で、和歌山バスの原義典さんは「乗り継ぎやすく、気軽に広い範囲を回ってもらえる。連携する沿線施設で特典が受けられるので、地元の人にも活用してほしい」と望んでいる。

 高野山開創記念イベントや紀の国わかやま国体・大会と、県外から多くの来県者が見込まれる今年。乗り放題にすることでスムーズに県内を巡れるよう企画した。

 1日券(1600円)と2日券(2400円)があり、1日券で和歌山駅から和歌山城とマリーナシティ、貴志駅を往復すると、総額は2200円となり600円得になる。さらに、沿線の博物館や飲食店、温泉約50施設で乗り歩きっぷを提示すれば割引などがある。同電鉄の竹添善文さんは「電車とバスを使ったウォークイベントなどにも便利です」と話している。

 3社の各窓口で販売。小学生は半額。和歌山電鉄(073・478・0110)、和歌山バス(同445・3131)。

写真=観光ガイド 松浦光次郎さん

観光ガイド 松浦光次郎さん 昭和感じる市電の写真掲示

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 乗り歩きっぷの発売に合わせ、観光ガイド和歌山の松浦光次郎代表は、和歌山市内のバス停6ヵ所に市電が走っていたころの街の写真と解説板を設置した。松浦さんは「黒潮国体が開かれた1971年は市電が廃止された年でもあります。当時と今の風景を比較しながら、少しでも昭和時代の和歌山の雰囲気を味わってもらえれば」と願っている。

 設置したのは「本町2丁目」「日赤医療センター前」「車庫前」「和歌浦口」「和歌公園」「権現前」。写真は、市電に勤めていた和歌浦の松井瑛雄さんが所蔵していたもので、和歌浦口にあった木造の信号塔前を横切る路面電車や、多くの人が行き交うぶらくり丁の様子をうかがい知ることができる。この写真に松浦さんが解説を添えた。

 また、掲示したバス停を見つけやすいよう、地元のイラストレーター、まんじゅさんが描いた少女キャラクター入りのバス停の円盤も取り付けた。いずれも掲示は5月31日(日)まで。

 さらに、松浦さんは5月5日(火)、この古写真を設置したバス停と和歌山電鉄の沿線を乗り歩きっぷで巡る「GO!GO!ウォーク」を企画。午前8時40分にJR和歌山駅前バス停4番乗り場へ集合し、市電が走っていたころの風景をたどる。乗り歩きっぷ代が必要。希望者は4月22日までに和歌山電鉄へ申し込む。

写真=「懐かしんで」と松浦さん

(ニュース和歌山2015年4月11日号掲載)