和歌山市出身の奨学金アドバイザー、久米忠史さんが2冊目の著書『奨学金 借りる?借りない? 見極めガイド』(写真右 スマホは上)を4月に合同出版から出した。
久米さんは、高校生やその保護者を対象に奨学金についての講演活動を行う「まなびシード」の代表理事。全国の高校や進学相談会、大学のオープンキャンパスなどで年間100回以上話している。2009年にはホームページ「奨学金なるほど!相談所」を開設。12年には『子どもを大学に行かせるお金の話』を出版した。
今回の本では、実際に寄せられた相談から107の質問を選び、申請前、申請後、在学中、返済中の4つに分けてQ&A形式でまとめた。「まだ進路が決まらないが、奨学金は申し込んだ方がいいか」「留学用の奨学金はあるか」「大学卒業後、返済を早く終わらせる方法は」など疑問への回答を分かりやすい言葉で記している。
「奨学金制度は仕組みが複雑。寄せられる質問は初歩的なものから、込み入ったものまで、家庭の事情によって様々ですが、その質問者の後ろに多くの不安や疑問を持っている方がいると感じます」と久米さん。「奨学金を借りて進学しても、就職できなければ単なる借金となります。進学は目的ではなく、成長するための手段に過ぎない。何のために進学するのか、親子でじっくりと話し合って進路を決めてほしい」と願う。
四六判、152㌻、1296円。まなびシード(06・6268・5098)。
(ニュース和歌山2015年5月16日号掲載)