インターネットサービス業大手、楽天の社員からウェブ上での商品販売方法を学ぶ「楽天IT学校」が5月14日、和歌山市砂山南の和歌山商業高校で始まった。県内初開催で、電子商取引の授業を選択する3年生47人が1年間、販売戦略の立案からショッピングサイトの作成までを手掛け、実際の商品販売に挑む。
楽天IT学校は楽天が2008年から全国で展開し、今年度は47都道府県57校が参加する。楽天に出店する地元企業と協力し、地域の商品を高校生に販売してもらうことでビジネスへの理解を深めるのがねらい。
5月14日は和歌山市出身で楽天開発部の坂東塁さんが「商品価値の伝え方」を教えた。「同じ品でもすごく売れる場合と全く売れない場合がある。何が売れるかより、どう売るかを考えて」と説明。
この後、生徒たちは「商品の価値を考える」をテーマにグループワークを行った。園部誠亮(まさあき)さんは「物を売る時に相手の目線に立つことが重要だと学んだ。ショッピングサイトの見方など勉強になった」と目を輝かせていた。
今後は、ネットショップを開設する湯浅町のとち亀物産が協力し、同社の有田みかんや梅干しなど特産品を商材に、生徒がグループに分かれて販売方法を探る。最終的に選ばれた1グループが来年1月、全国大会「楽天IT学校甲子園」に出場する。坂東さんは「実際に販売するので、ビジネスの難しさを体感してほしい。インターネットの可能性を感じてもらえれば」と期待している。
写真=楽天・坂東さん(左)の説明を聞く生徒たち
(ニュース和歌山2015年5月23日号掲載)