白くペイントされた耳のような足型のマーク(このページ 写真上)、和歌山市のあちこちにあるのをご存知? サウンドアーティストの鈴木昭男さん(このページ 写真下)が10年前、イベント「点音(おとだて)」を開いた際に施したもので、マークの上に立ち、周囲の音に耳を澄ますポイントとして18ヵ所にある。今年7月18日(土)、7月19日(日)に鈴木さんを招き、再び点音を振り返るプロジェクトを市民有志が計画している。実行委の塩崎朗洋さんは「鈴木さんとポイントを歩いてたどり、10年のまちの変化を感じて」と呼びかけている。
鈴木さんは1941年生まれで、現在は京丹後市在住。60年代から日常の音、反響音に着目した作品やパフォーマンスを発表し、2005年夏に県立近代美術館など県内3施設で作品展や公開制作を行った。
点音は鈴木さんがまちに長期滞在し、耳を澄ますのに良い場所を複数探し、マークをつけるイベント。96年のベルリンを皮切りにこれまで国内外50ヵ所で行い、和歌山は国内で初めての開催だった。七曲市場や市堀川の川べり、旧シネマプラザ築映近くの路地など中心市街地にマークを付け、今も半分ほどが消えかかりつつ残っている。
今回、点音を知らない人から「このマークは何?」との声が上がったことから、10年前にイベントをサポートした市民らが実行委を結成し、鈴木さんとポイントを巡るウォークを企画した。開催に向け、今年3月から県立近代美術館の学芸員らが点音や鈴木さんについて解説する説明会を開いている。奥村一郎学芸員は「市民の声にこたえて鈴木さんが点音を再び振り返ることになった。これは初めての試み。新しい風景を発見する機会になれば」と話している。
ボランティアスタッフを募集。詳細は「点音in和歌山」フェイスブック。メール(info@otodate.com)。
(ニュース和歌山2015年5月23日号掲載)