こだわりのスピーカーで上質なジャズにひたって——。高校の元美術教師、堤慶さん(59)が5月2日、和歌山市和歌浦中にジャズカフェ・バー「ケイズブルー」を開いた。「昔から憧れだった店を持つことができました。ジャズに耳を傾け、ゆったりとしたひとときを過ごしてもらえれば」と笑顔を見せる。
堤さんは星林高校や県立和歌山高校などで34年間、美術を教え、今年3月に早期退職した。ドラマーだった父の影響で小さいころから音楽に親しみ、「演奏家の個性が出るジャズ」のとりこに。30歳からレコードとCDを集めており、音響機器にこだわるようになった。
店は星林高校美術部の指導に使っていた自身のアトリエを改装した。油絵や石こう像の画材道具とともに、オーディオ愛好家の中でも上級者に好まれるゴトウユニットや、旧マクソニックの年代物のスピーカー15組を並べた。アメリカのトランペット奏者、マイルス・デイヴィス、アート・ファーマーなど1960~70年代の曲を主に流す。「スピーカーから音が弾み出て、まるで生演奏を聴いているかのような臨場感が味わえます」
中高生は3人以上の予約で営業時間外に利用でき、ソフトドリンクは半額。堤さんは「昔はジャズが主流で、気軽に聞ける喫茶店が和歌山にもたくさんあった。今の若い子たちにも上質な音にふれる機会をもってほしい」と願う。
木金の午後7時~10時。同店(073・445・8864)。
写真=念願の店を始めた堤さん
(ニュース和歌山2015年5月23日号掲載)