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 『青い山脈』『くちなしの花』など懐かしの歌謡曲をオカリナで演奏する「スマイル・ラルゴ」が6月22日で結成10年目を迎える。これまで、介護施設を300回近く訪問し、癒やしの音色を届けてきた。リーダーで歌い手の前田洋さん(76)は「音楽好きが集まったグループ。施設で演奏することで、聞いてもらえる喜びを感じられます。これからも仲間と一緒に長生きして続けていきたい」と描いている。

   和歌山混声合唱団に所属する前田さんと、オカリナ教室に通う3人、伴奏を担当するピアノ奏者の5人でつくるグループ。2006年から週1回の練習を重ね、高齢者施設への慰問を中心に、写真展や敬老会で披露してきた。

 5月29日は同市中之島の在宅ケアセンターしあわせを訪問した(写真)。60~90代の40人を前に、『みかんの花咲く丘』『南国旅情』『ビリーブ』など15曲を演奏。前田さんがマイクで歌い、オカリナに合わせ皆で合唱した。途中、腹話術や歌の思い出話もまじえ、会場は笑いに包まれた。利用者の長谷川茂代さん(87)は「独特の哀愁が漂うオカリナにいつも聞きほれます。声を張り上げて歌え、毎回楽しみです」と目を細めていた。

 オカリナ奏者の津崎喜久代さん(67)は「いつもベッドで寝て、あまりお話ししなかった方が、演奏で初めて声を出して歌い、中には涙を流してくれる方もいました。音色で心が通じ合えた時が一番やりがいを感じます」と笑顔を見せていた。

(ニュース和歌山2015年6月10日号掲載)