■紀の川俳句会・藤田和子選

旅籠跡溢るゝ光青き踏む       大橋 和子

椿踏む一円硬貨ほどの悔い      森下 玄洞

車椅子押ししはまぼろし花の下    藤田 和子

■笹子句会・笹尾茂葉選

快方の母に笑みあり南西風吹く    坂上美智子

遠蛙いつしか子らに従へり      池原 静江

忌を修す親族集ひ花は葉に      榎本かね子

■天美苑俳句会・綾ひろ子選

咲き満ちて気分いいわと桜かな    岡本  茂

草餅を食めば亡き母居るやうな    片山 政枝

真盛りの桃の花咲く里恋し      田村 艶子

■喜成会俳句教室・山本恵草選

花の枝に雨の雫の光りかな      田中 節子

あぜ道にそっと芽を出すツクシンボ  丹羽キヨ子

たんぽぽや童の顔もにこにこと    大田 壽枝

■香蘭俳句の会・上野みのり選

吊橋に沿ひとりどりの鯉のぼり    伊都 貞子

風光る熊野古道の丸ポスト      北畑みち代

薫風や友を連れ出す車椅子      嶋倉 睦代

■狩笹舟句会・笹尾茂葉選

飛ぶことにやや疲れしか風の蝶    松島 生子

新緑やぱつたり出合ふ友若し     小川 俊郎

春風に鎮守の社装へり        新田 晋一

1句会3作品までです。

【宛先】〒640・8570ニュース和歌山編集部「投句」係

(ニュース和歌山2015年6月13日号掲載)