高校生向けに県内企業が一堂に会し、説明会を行う初の「応募前サマー企業ガイダンス」が6月19日、和歌山市手平のビッグホエールとビッグウエーブで開かれた。就職を希望する3年生約2000人が集まり、111社のブースを巡った。
和歌山県内高校生が卒業後に就職する割合はここ数年、約2割の2000人で推移。このうち、県内就職率は75%と全国平均の81%を下回っている。
県は企業と連携した就職支援として、これまで工業高校のみで企業による出前授業などを行ってきた。また、毎年開いている高校生向けの就職フェアは、秋の時点で就職先が見つかっていない生徒対象だった。今回、就職活動に向け動き始める夏を前に、地元の様々な優良企業を知ってもらおうと、初めて企画した。
キャリアアドバイザーの吉岡恭子さんから、身だしなみや態度、説明を聞く際の注意点などアドバイスを受けた生徒たちは、企業ブースへ移動。説明会は20分ごとに一斉に行われ、1人5社ずつ訪問した。企業理念や事業内容、仕事や待遇についての説明に耳を傾け、熱心にメモを取っていた。
和歌山商業の喜夛(きた)達也さんは「情報通信業のサイバーリンクスで話を聞きました。防災放送の設備などを作っていると知り、身近に感じました」。和歌山東の山本楓さんは「働いている人の話とイメージとでは違うことがあった。どの業種にするか決めかねているので、色々な企業を訪ねたい」。和歌山工業の西山晃平さんは「製造業を志望していて、仕事内容を知ると、学校で習っていることが基本なんだと分かりました。和歌山が好きなので、地元で就職したい」。
一方、出展した産直市場よってってを運営するプラスの村上賢さんは「店名は知ってくれていても会社名はあまり知られておらず、周知する機会になった。地元の高校生を積極的に採用したい」と喜んでいた。
写真=島精機製作所のブースで説明を聞く高校生たち
(ニュース和歌山2015年6月27日号掲載)