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 レスリングのアジア・カデット選手権が6月11日〜6月14日、インドで開かれ、和歌山北高校2年の三輪優翔(ゆうと)選手が男子フリースタイル69㌔級で優勝した。初めての国際大会で頂点に立ち、「イメージしていた通り、外国人選手の方が力は強かったが、自分の技は通用した。自信になりました」と喜んでいる。

 小学5年、中学3年、そして高校1年だった今年3月と3度の全国制覇歴を持つ三輪選手。粘り強さが持ち味で、カウンター攻撃を得意とする。4月のJOCジュニアオリンピックで2位に入り、日本代表として、17歳以下のアジア一を決める今大会に挑んだ。

 「最近、力を入れて練習しているカウンター攻撃とハイクラッチ(1)がどこまで通用するか試したい」。意気込んでのぞんだ初戦は、台湾の選手相手にフォール勝ち(2)。キルギスの選手との準決勝は5─0で、2試合とも無失点で勝利した。「ハイクラッチで点を取れたし、相手のタックルにも反応できた。そのタックルをかわした後、ねらっていたカウンターでの攻撃につなげられれば良かったんですが、そこは課題です」

 決勝はアジアの強豪、イランの選手が相手。試合前、日本選手団コーチとして同行した北高の森下浩監督から「海外の選手はクラブ活動としてではなく、人生をかけて戦ってくる」と聞いていた通り、勝利への執念を見せる相手選手に苦戦。「折れるんじゃないか」というくらいの強さで指をつかまれる相手の反則などで2点を得ると、その後は持ち前の冷静な試合運びを見せ、2─1で逃げ切った。

 戦いを見守った森下監督は「現地に行く前から、『何が何でも金メダル』と意気込んでいた。初めての国際大会にしては落ち着いて、自分の戦いができていた。いつも通り、たんたんとやってくれた点は高く評価できる」と目を細める。

 「(無料通話アプリの)LINEで日本の友達から送られてきた激励メッセージが力になりました」と満面の笑顔を見せる三輪選手。君が代が流れる中、日の丸が掲げられる様子を、表彰台の一番高いところから見つめた。「これを目標にしていたので、気持ちよかったです」  夢に抱くオリンピック金メダルへ、確かな一歩を踏み出した。

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1)ハイクラッチ…相手が前に出している方の足にタックルすると同時に横に回り込み、空いている方の手でもう一方の足を刈り取る技。 (2)フォール勝ち…相手の両肩をマットにつけての勝利。

(ニュース和歌山2015年6月27日号掲載)