認知症の高齢者が徘徊(はいかい)した際、少しでも早く保護できるようにと、海南市は履き物の前と後ろに貼る「見守り・安心ステッカー」の配布を6月8日に始めた。
同市見守り安心ネットワークに登録している人に5足分ずつを配布。くつの後ろに貼る方には「海南市 001」のように1人ひとりの登録番号を印刷している(写真)。その番号を参考にすれば、高齢者の顔が分からなくても警察ら関係機関が探すことができるほか、発見時の身元確認がスムーズになる。
万が一に備え、同市では2009年~14年、人工衛星からの電波で位置を把握するGPS付きの機器を貸し出していた。しかし、高齢者が持って外出しなかったり、機器の充電が切れたりと問題があり、6年間で利用されたケースはなかった。 今回は兵庫県たつの市で効果を上げているステッカーに着目した。外出の際、ほとんどの高齢者がお気に入りのくつやサンダルを履くことから、県内で初めて導入した。
ステッカーは蛍光色で、「夜間、車のライトが当たると反射するので、交通事故防止にも役立つ」と同市高齢介護課。「ステッカーを貼ったくつを嫌がることなく履いているとの声が家族から届いています。ステッカー付きの履き物を身につけている人が困った様子でいる場合は気にかけてもらえたら。高齢者が安心して暮らせるまちづくりを目指したい」と話している。
写真=くつの後ろにはり身元を確認
(ニュース和歌山2015年7月11日号掲載)