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 和歌山県の伝統工芸品、紀州高野組子細工の魅力を発信するポスター展が7月23日(木)〜7月29日(水)、和歌山市本町のフォルテワジマ2階で開かれる。同市のデザイナー、リ・ビーンズの岡記生さんの企画で、「高野組子細工から得た発想を元にした作品。自慢できるその魅力を多くの人に知ってほしい」と話している。

 紀州高野組子細工は、釘や金具を使わず、手作業だけで木片を組み合わせて、幾何学模様を作り、そこに山状や波状の表現をあしらって風景や模様に仕上げる伝統工芸。鎌倉時代に生まれた装飾技法で、江戸時代に高野山の寺院を建立する際に京都から招いた建具職人が高野山のふもとに伝えた。現在は橋本市の池田秀峯さんが技を継承し、高野山の木を使い、「風神雷神図」など大胆で繊細な作品を生み出している。

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 岡さんは池田さんの作品に感銘を受け、今年、和歌山市内で池田さんの作品展を開いた。今回は、組子細工の魅力とイメージを広げるポスターを岡さんがデザインし、素晴らしさを伝え、後継者発掘にまでつなげたい考えだ。作品は、同市のカメラマン、勝田憲央さんが池田さんの組子細工を撮影。この写真をもとに岡さんがデザインを施し、ポスターとして作品化し、約10点を並べる。

 「納得しない作品はそのままでは渡さないなど池田さんの姿勢には学ぶところが多い」と岡さん。「和歌山以外にも組子細工はあるが、池田さんの作品は最高と思う。300年の伝統の技を受け継ぐ応援団づくりにつなげたい」と力が入る。

 午前10時〜午後4時。リ・ビーンズ(073・453・8900)。

写真 この記事上=右から勝田さん、職人の池田さん、岡さん。下はポスター作品

(ニュース和歌山2015年7月22日号掲載)