和歌山県立医科大学附属病院(和歌山市紀三井寺)は7月1日、がん手術や外傷などで傷ついた身体の一部を修復する形成外科を開設した。専門医2人が常勤し、7月21日に診察を始めた。朝村真一医師は「形成外科の少ない和歌山で、専門の学生を育て、普及させていくことに使命感を感じています」と意気込んでいる。
形成外科は、乳がん患者の乳房再建、切断した指の接着、やけどした箇所への皮膚移植、先天的な奇形など体の様々な部分の外見や機能を修復する。全国に専門医は約2300人いるが、県内は就任した2人を含め7人のみで、形成外科のある総合病院は日赤和歌山医療センターだけだった。
朝村医師は、久留米大学医学部卒業後、近畿大学医学部で講師、准教授を歴任。「直接命に携わることは少ないが、見た目を美しく整えることは、患者さんの心と性格を変えることにつながる。より幸せな人生を歩む手助けをしたい」と語る。
吉田宗人病院長は「形成外科の手術はこれまで、他大学の医師に来てもらうか、近隣の病院を紹介していた。院内に専門科でき、患者のニーズにすぐにこたえられ、幅広い治療ができるようになった」と喜んでいる。
(ニュース和歌山2015年7月25日号掲載)