和歌山市出身の俳優、岡本高英さん(43)が9月3日(木)〜9月6日(日)、東京の紀伊國屋ホールで上演される『アレキサンドル昇天 青木繁・神話の棲み処』の主役を務める。舞台を中心に活躍する岡本さん。〝演劇の聖地〟紀伊國屋ホールでの今回の主演、テレビ出演機会も多く、さらなる飛躍に期待がかかる。
岡本さんは桐蔭高校卒業後、進んだ早稲田大学で演劇を始めた。19歳の時、イギリスの劇団が演じた『ゴドーを待ちながら』をみた際、急に涙と汗が噴き出してくるほどの感動を覚え、俳優を志した。22歳で野口雨情を描いた『雨情』の主役に抜擢されて以来、舞台を中心に活動。並行して文学座演劇研究所に入り、本格的に演劇を学んだ。
「テレビ、映画、舞台、それぞれたまらない楽しさがあります。お客さんと相手役、一瞬一公演ごとに緊張感ギリギリで綱渡りする感覚の舞台にのめり込みました」と岡本さん。一方、20代から 『タモリのボキャブラ天国』、ドラマ『お金がない』、映画『あぁ、ひめゆりの塔』などテレビ、映画に数多く出演し、2008年にはNHK大河ドラマ『篤姫』で伊藤博文役を務めるなど役の幅を広げる。
今回、主役を務めることになった『アレキサンドル昇天』は劇作家の竹内一郎作。絵画史に残る作品を残しながら28歳の若さで亡くなった明治時代の画家、青木繁の生き様と真実の姿を探った作品で、岡本さんは「紀伊國屋ホールでの主演は別格でワクワクしています。青木の絵のような人間の生命力みなぎる作品をみて頂きたい」と力強い。
「和歌山から出てきてコツコツと役者を続けることができた。自然豊かな和歌山で培ってきたものがあってこそ。そのことに感謝し、常に全力で演技してゆきたい。いつか和歌山の皆さんにも自分の芝居をご覧頂きたいです」と抱負を語る。
(ニュース和歌山2015年8月29日号掲載)