外国人旅行客を中心市街地へ呼び込もうと和歌山市は、ぶらくり丁へ立ち寄るツアーを組んだ旅行会社に助成金を出す「外国人旅行客誘致促進事業」を今年度から始めた。9月24日には第1号となるタイの団体客70人が買い物を楽しんだ。市観光課は「ぶらくり丁が活気づき、市の中心ににぎわいが戻るきっかけになれば」と期待している。
15人以上の外国人の団体で、ぶらくり丁に加え、市内の観光地1ヵ所以上を訪問するバス1台に付き5万円を助成。同市に本社か支社がある業者のバス利用が条件になる。
事業に賛同したぶらくり丁の23店舗と市は8月から受け入れ体制の会議を重ね、外国語表記の地図を作成。当日、店頭に英語とタイ語で書いた看板を立て、着付けや茶道体験コーナーを設けるなど各店がもてなした。タイの団体客は本町通りから東ぶらくり丁まで約1時間散策し、洋服や薬、果物の買い物や提灯作りを楽しんだ。
日本に3回来たことがあるブーン・チュアイさんは「タイの国旗を振り歓迎してくれ、どの店の人もあたたかかった」。ツアーガイドのシャックリッチ・クンラックさんは「タイ人は百円均一やドラッグストア、時計店が好き。心斎橋に比べると人も物も少ないけれど、ゆっくり買い物でき、独特の良さがあります」と笑顔。
番茶屋の木村圭一(よしかず)代表は「団体客でにぎわうのは一瞬。文化体験をインターネットのブログやツイッターで発信してもらい、次の来客につながってほしい」と望んでいる。
写真=記念撮影を楽しむタイ人観光客
(ニュース和歌山2015年10月3日号掲載)