海南市重根のピアニスト、上野山彩子さんが古楽器のチェンバロを使ったコンサートを10月11日(日)午後3時から、自宅で開く。上野山さんは「なかなか間近で見る機会のない珍しい楽器。繊細で優雅な音色に、凝った装飾も魅力です。サロン的な雰囲気で気軽に親しんでほしい」と呼びかける。
鍵盤楽器のチェンバロは17~18世紀のバロック時代、ヨーロッパで隆盛を極めた。グランドピアノのような形をしており、貴族のための楽器として、家具のように絵や木彫が施されている。
上野山さんは神戸山手女子短大音楽専攻科修了。現在は和歌山と大阪でピアノ教室を開くかたわら、県内外で演奏会を行う。チェンバロは2010年から、大阪の奏者、山名朋子さんに師事している。
昨年、日本の職人によるオーダーメードで、「フレミッシュタイプ」と呼ばれるオランダ様式のチェンバロを手に入れた。鍵盤は黒く、響板には花や果実、昆虫、鳥などの絵が描かれ、脚部分に細やかな木彫があしらわれている。
「せっかくの楽器。アットホームな雰囲気で、音楽家と楽器、観客が交流できる空間を」と自宅でのコンサートを企画。弦楽器ヴィオラ・ダ・ガンバの奏者、田淵宏幸さんを迎え、バッハやフレスコバルティの曲を披露する。上野山さんは「コンサートをシリーズとして続け、バロック奏者や歌手を迎えながら古楽器の魅力を広めたい」と力を込める。
1000円。定員20人。希望者は上野山さん(073・487・3459)。
写真=細やかな装飾を間近で見られる
(ニュース和歌山2015年10月3日号掲載)