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 交際相手との間で起きる暴力、いわゆるデートDV(ドメスティックバイオレンス)についての正しい知識を持ってもらおうと、県男女共同参画センターは11月24日、和歌山市森小手穂の和歌山東高校で出前講座「イマドキ高校生のリアル恋愛論」を開いた。講師を務めた立命館大学非常勤講師の伊田広行さんは「デートDVが高校生活で起こりうるし、これから身近な問題になる。対等な恋愛関係を知ってほしい」と呼びかけた。

 元恋人へのストーキングやリベンジポルノ(交際時の私的な画像などをインターネットで流出させること)が社会問題化し、昨年の全国の認知件数はストーカーが2万3000件、DVが5万9000件に上った。同センターは2010年から学校でデートDVの出前講座を開き、トラブルの予防に努める。

 この日は1年生240人が受講。伊田さんはまず、近年起きたストーカー殺人事件を示し、「デートDVはカップルの2~3割、緩やかなものも含めると約半数にあると言われます」と多さを強調。リベンジポルノについては「公開された人は心に傷を負い、公開した人は罪に問われる。一時の気まぐれで一生が変わるので、決してしないように」と訴えた。

 受講した女子生徒は「リベンジポルノの怖さが分かり、将来、誰かと付き合った時に、絶対に画像を送ったりしないようにしようと思います」、男子生徒は「別れるときに『死にたい』と言って応じないことも精神的なDVになることが分かった」と語っていた。

写真=事例を示しながら説明する伊田さん
(ニュース和歌山2015年12月5日号掲載)